トップ > 店主つれづれ
着物詐欺!?

ある日一人の老婦人が来店され、「娘の結婚式の着物を借りたい」とのこと。
こちらから何も言わないのに老人手帳をお出しになったので、一応確認し着物をお貸ししました。
ところが着物の返却期間が過ぎても無しのつぶて。
仕方なくこちらからお電話したところ
「その電話番号は現在使われておりません。」
え?どういうこっちゃ?と思いもう一度お電話。
しかし同じメッセージが淡々と流れるだけ。
「しまった」と思いながらも地図で家の場所を確認し、その家の近所の同姓の家へお電話。
「ちょっとお伺い致しますが、○○さんのご親戚ではありませんか?」
「違いますけどどういうことでしょうか?」
今までの事情を説明したところ、そのご主人曰く
「お宅もでっか?そんな電話ようかかってきますわ。」
あちゃ・・・万事休す・・・。
ところが数日後、質屋さんから
 「お宅の品物うちで預かってますので必要なら取りにきて下さい。」
とのお電話。
早速取りに行き、品物の代金と金利を払いました。
しかし金額が思っていたより小額だったので、疑問に思い理由を尋ねると
「お客さんの様子がおかしかったので○○円しか貸しませんでした。」
さすがにプロ・・・と思ったと同時にありがたかったです。
あとで考えると、こちらが何も言わないのに老人手帳を出した時点でピンとこなくてはいけなかったのです。
一応当店は性善説の立場から身元確認をする物の提示を求めたことはありませんでした。
そんなお客様はいらっしゃらなかったのですから。
それにしても初経験のことで面食らったと同時にいい勉強になりました。

          プロに進化中の八雲より

▲このページのトップへ